歳をとるとともに冬の静電気は激しくなってきているので、春の陽気にようやくほっとしたのも束の間、また冬に逆戻りで空気は乾ききっている。
静電気は手がカッサカサの時により激しく起こるので、クリームでも塗るか、その前に手を洗うか、と水道のコックをひねり手を差し出すと、その流水と指先とでビリッとくる。 水で静電気って、 私は一体どうすればいいのですか。
近所に門扉の中で自由にしているかわいい雑種犬がいて、私たち夫婦はそこを通るたび、柵越しにその犬を触ってなごんでいるのだが、先日妻がいつも通り手を差し出すと、妻の指先と犬の鼻に静電気が走った。 びっくりした犬はク~ンと鳴いて小屋へ入ってしまったのだという。
あんなに仲良くしていたのに、それ以来その犬は妻の顔を見るとそそくさと逃げてしまうらしい。 へええ、なんて面白がっていた私が近づくとこれまで通りにしっぽを振って近寄ってくる。 やっぱりかわいいなコイツ、と思ったら、犬は何かを思い出したように踏みとどまり、後ずさりして近寄ってこない。
たまたまかと思っていたのだがそれ以来犬は私にも近づかなくなってしまった。 どうやら
「そういえばこの男はあの静電気の女の仲間だ」 ということを覚えているらしい。 私も悪の一味になってしまったというわけだ。
先日の 「ポチたま」 では 「人間に身体をこすりつけてわざと帯電し、そのひとの指と自分の鼻とで起こる静電気を顔をしかめながら耐える犬」 が出ていた。 それぐらいの犬になってみろよお前も。
私たちがあの犬とのことで何が悔しいって、
「こちらは思っているのに向こうはつれないそぶり」 という片思いが悔しいのである。 もしあの犬が何かの拍子で 「静電気好き」 になったなら、その時こそ私たちは
「それはお断り」 と優位に立ちたい。 振ってやりたいんだよなあこっちから。
人気blogランキング