TBS「タイガー&ドラゴン」の放送が終了した。
わたしはもう「宮藤官九郎なら何やってもいい」と思っているくらい宮藤官九郎には甘いので、作品についてニュートラルな評価はできないと思う。ただ、今回のドラマでいいな、と思ったのは虎児役の長瀬智也だった。
既に同じ宮藤脚本による「池袋ウエストゲートパーク」で「野性的」とか「スケールがでかい」などと評価されているのは知っているが、作品があれじゃそりゃあ「野性的」に見えるだろうし、なんだかんだ言って背が大きいと「スケールがでかい」といわれる確率は高い。
しかし掛け値なしに今回はよかった。どこがよかったかって「バカさ」である。雑誌のインタビューでスタッフも言っていたし、
公式ホームページで共演者にも遠慮なく「バカ」と言われているくらい「長瀬はバカ」は定着しているらしい。そしてドラマ中の「劇中劇」(題材にした古典落語の世界・江戸時代)での長瀬がバカだった。
「芝浜の回」の海辺でキセルを吸いながら居眠りするシーン、「品川心中の回」で「兄貴」の家に入ってきたシーン。どちらも短いシーンだがもう顔がすごいバカ。バカだ長瀬。声を出して笑ってしまう。
落語がモチーフになっているだけにこのドラマには「愛されるバカ」が大勢出てくる。阿部サダヲもバカだし塚本高史もバカだったがやっぱり一番バカだったのが長瀬。「バカのフリ」でも「本物」でもいいがとにかく「目」がヤバイ。どこも見てない。
蛇足でお門違いだが、あの長瀬を私が「見たかキムタク」と自慢したくなるのだ。「エンジン」で相変わらずカッチョよかった(観てないけど)木村拓哉が「タイガー・・・」での長瀬を観て「おれも本当はあんなのやりたいんだよ静香ー」と思ってりゃいいのに、と思う。
「スマスマ」を観る限り(ってほとんど観たことないが)、木村の思う「カッコイイ」には「バカもできる」というのも絶対入ってる(それも含めて目指すところは結局「カッコイイ」なのかもしれない)はずだ。
木村がドラマで見せる「うえあああカッチョイイおえええ」というのに実は本人はもう辟易していて、柱の陰から長瀬を観て「ああいうのがいいなあ・・・」と指をくわえてるならいいのに、「エンジンなんかダセエよーやだー」と半ベソかいていたらいいのに、木村よ、そうであってくれと勝手に希望する私なのだった。「誰のためにか」はわからないけど。
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