先日とある会場で 「○○市(近隣のまち)出身のシンガーソングライター」 という誰も知らない人がいきなり出てきて歌い出し、その雰囲気と 「上から目線」、そして何よりも 「今さら」 な歌詞に、会場全体がどよめくヒマもなく、キツネにつままれるという出来事があった。
「今売れているものが映る」 はずのテレビを見ていても、一番じゃなくてもいいとか自分を信じてとか夢をあきらめないでとかいう言葉や歌詞はたくさんある。 そういう気持ち自体は正しく美しいことかも知れない。 しかし 「そういう切り口を最初に見つけた人」 ならともかく、さんざんそういう内容のものが発表されてきた今の世の中でその言葉を工夫もなくそのまま 「作品」 として発表するのは表現者としてどうかなあと思う。 というか本当にやめてくれよと思う。
ところで有名な歌詞 「もともと特別なオンリーワン」 という歌詞は好きではないが言いたいことはわかる。 「キミというのはキミしかいない。 だから特別な存在である」 みたいな事なのだろう。 しかしもともとそうだというのではなく
「オンリーワンに
なればいい」
とやたら言うのってどうなんだろう。 どこかの学校の先生の言葉とか講演会でも聞いたことがある。 生まれてきただけじゃダメだというなら 「一芸に秀でろ」 とか 「手に職つけろ」 のほうがよっぽど聞いていて気持ちいい。 まあそういう意味で言っているんだろうが 「ほらみんなの好きな歌にもあるように」 みたいな感覚で言葉を簡単に拝借してきて使い方も違っちゃった、みたいな所が嫌いさ。 みんながまんべんなく 「オンリー」 になれる程、ものごとの 「ジャンル」 って多くねえずら。