「ドラえもん」 に出てくる未来の道具の中に 「正直太郎」 という、心の中で密かに思っていることを正直に言葉にしてしまうのがある。 確かその出で立ちは東海林太郎(しょうじたろう)という大昔の歌手(直立不動で歌う)を模したものだったと記憶している。 ネーミングにも見た目にもそんなルーツがあるなんて、当然今のドラえもん視聴者の子供達にはチンプンカンプン。 ドラえもんが 「昭和の名作」、それもかなり古い時代の作品である事を思い知らされる。
さて、「正直」 と言えば、先日経済ニュースで見た事柄を思い出す。 なんでも、あるスーパーでは、例えばイチゴが陳列されている棚に、
「天候不順により甘みが弱くなっています。その分お値打ちにしてあります」
などと、「なぜこの商品が安いか」 という理由、しかも 「負の理由」 を正直に書いてあるのだという。 こういう売り方をしている商品を 「正直」 という事で 「オネスト商品」 と呼び、その誠実さが好評なのだという。
さて、先週放送の 「ガキの使いやあらへんで」 は半年に一度くらいある、村上ショージによる 「○○教室シリーズ」 だった。 その中でダウンタウンに 「過去4回のこのシリーズ、視聴率が全て1ケタ」 と知らされたショージが絶句するという場面があった。
このシリーズでは、実は番組中画面下に
「※今回の企画にあまり期待しないで下さい 最後まで特に何も起こりません」
というテロップが出る。 そう、言ってみればこれも 「オネスト商品」 なのだ。 でも毎回の低視聴率にはこの正直なテロップも少なからず影響しているだろう。 オネスティな申告がスーパーでは好評、こちらでは不評。 「値引き」 がないからだろうか。 私はこのシリーズ嫌いではないけど。
「ガキの使い」 と言えば昨日放送の 「裁判シリーズ」 では、安居院一展(あぐい・かずのぶ)氏による再現イラストは金を出してでも欲しいといつも思う。 人を笑わそうと頭をひねらせてシコシコ文章を書いていると、イラスト(ヴィジュアル)の持つチカラの凄さの前にはしょんぼりしてしまうことがある。