どうですか、流行語大賞の候補たち。
「流行ったものの名前」 じゃなくて 「言葉として流行ったもの」 だけにしてほしいとは思いつつひととおり見てしまった。
ところで、また 「とくダネ」 の話題で申し訳ない。 笠井アナが他の出演者に 「候補の中で気になる流行語はありますか?」 と聞いたところ、しばらく反応はなしのつぶてで束の間視聴者をゾクゾクさせたあと口を開いた小倉智昭、
「『鈍感力』。 『鈍感』 に 『力』 をつける渡辺淳一さんのセンスが面白いと思うよねえ」
みたいなことを言っていた。 楽しく読んだ赤瀬川源平の 「老人力(1998年)」 以来、やたらと出版されている 「○○力」 というタイトルの本を書店で見かけるたびツバを吐きたくなるような思いをしてきた。 「老人力」 のような 「ネガティブな事柄をむしろポジティブな力として」 という考え方とは全く関係のないところでもただやたらと “力” をつけてみた著書がどれだけあったことか。
もういいよ、と思っていたこの期に及んでまた 「○○力」 という本、しかも 「老人力の二番煎じじゃねえの」 と言いたくなる発想そのもののネーミングによる著書がベストセラーとなって、しかも 「そういうネーミングがいい」 なんて言うひとがいるのだから、やっぱり鈍感は幸せなのだ。 「老人力」 も当時流行語大賞に入賞している。 なのに鈍感力を選ぶ方も選ぶ方だな。