桃の節句、ひなまつりである。5月5日の端午の節句のことは、別に「かぶとまつり」などとは言わない。こちらだけに「まつり」がついている。
今日の仕事場の役員も「孫のひなまつりに呼ばれているから」と言ってそそくさと、にやけながら帰っていった。「まつり」というからには何やら楽しい行事が待っているのだろう。ひなまつりとはどんなまつりなのだろうか。
とか言って実はわたしにも姉が2人いたような気がするので、ちょっとした「おまつり」的なことがあった。「ような気がする」の場所を間違えちゃった。「あった」の後ですね。
鼻の奥にぬお~んと来る甘酒。甘さも塩味もほのかすぎるし、かといってガバっとほおばったところでそれでも中途半端な味わいのひなあられ。
ちらし寿司も定番なのだろうか。その当時「♪ち~らし~寿司な~~~ら」桃屋の「すし太郎」と決まっていた。粉の酢を混ぜる甘すぎな酢飯、茶色ばかりで魅力のない具。卵だけを集めて食べたものだ。
とどめにひなまつりの歌まで歌わされる、なんてことはなかったが、わたしはずっと
「♪お嫁にいらしたねえさまに よく似た官女の白い顔」を
「よく似た感じの」
だと思っていた。「えらい『普段着』な歌詞やな」と思っていた。